大腸癌手術に至る経緯

 別に自覚症状があった訳ではない。
もっともそうだったら手遅れの怖れがある。

 大分昔から毎年立川市の誕生月検診で貧血、ヘモグロビン不足を指摘されていた。然し、この町医者は指摘するだけだった。

 最近になって、大病院のベテラン内科医と相談して消化器系を調べることになった。

 胃カメラは異常無しだった。

 下部内視鏡で左横行結腸に癌が見付かった。
それから、次々と検査が始まった。

 どうやら気楽なものから厄介なものへ
と並べているようだ。

 最初は胸と腹部のCT。造影剤を注射したようなきがする。

 次がPETーCT。オランダだったかフィリップス社製の立派な装置のトンネルの中を何度も全身が行ったり来たり。

 最後が問題。設備は古い、ただのレントゲンだが、注腸検査と言い、難行苦行なのである。
ネットで調べると、人気の無い検査とあった。

 大腸癌が見つかる場所は大体S字結腸か直腸であり、下部内視鏡(大腸内視鏡)はその先にまでは入れない。自分の場合は横行結腸の真ん中まで入れてくれたらしい。

 自分の癌は横行結腸から下行結腸に折れ曲がる部分にあり、癌の左右10センチ、合計20センチを切断し、繋ぐだけだから楽な手術らしい。

 問題は例によって、転移である。PETでリンパ節に転移が見つかり、これも切除が必要。

 リンパ節に転移があれば、ほかに肝臓とか肺への転移がないか心配され、ここで注腸検査の必要性が出てきた訳である。

 その結果、腹膜や他の臓器への転移はないとのことで、苦労のしがいがあったようだ。